今回は東北旅行を優先したので大地の芸術祭は断念しようと思っていたのだけど、上手く回れば行けないことも無いなと思いルートを綿密に計画して日帰り決行!!
このイベントは主に3年に一度、夏の期間だけ開催されその作品数は約350点
なのでとても1日なんかで回れるもんじゃない、じっくり見て回るとしたら一週間以上は必要だろう。
美術館のように作品が次から次へときれいに並んでいる訳でもなく
これはあくまで大地の芸術祭!なので自分の足で新潟の大地を駆けめぐり、不安になるような細い道や時には迷ったりしながら楽しむのがこのイベントの醍醐味だと思う。
用意されていながらも隠されているかのような静かな山奥にチラッと作品が見えたときの感動はここでしか味わえない。
2000年から始まったこの芸術祭、僕が初めて行ったのは2003 2006 そして去年「光の館」に泊まりに行ったので今回で4度目、さすがに広さや大体の時間配分は解るので計画通り回ることが出来た。
今回のメインになっている大きな作品を中心に約20作品を見て回った。
まずは通過地点にあったこの作品、夏の十日町の町中に雪が・・
この中に入って見る景色が何ともかわいい。
新潟のこの辺りの地域は過疎化が進み空家や廃校が沢山あり、その跡地をアートとして蘇らすプロジェクトがいくつかあり以下の4作品もその一部
外観からは想像も出来ない中の世界、家の中いっぱいに張り巡らされた針金
そして目を凝らすとその中心には作家自身の体が浮かび上がる・・・
特異点とは宇宙の起源を意味するそう
この作品は2006年の時に凄く好きだった作品で今回も見に行ってきた。
廃校になった小学校でアプローチは体育館から入り校舎の三階まで続く
途中外部からの明かりは一切なく揺れる電球、心臓の音、そこには過去に子供達がいた笑顔など想像できない。
人間の不在を意味するこの作品、まるで廃校が命を取り留めているような気がした。
空家を埋め尽くす黒い毛糸、この糸が蜘蛛の巣のようで家の歴史を更にタイムスリップ
どこか懐かしいこの家・この村の記憶が蘇る。
この毛糸を張り巡らす途方もない作業の中に、作家と村の人達の想いが繋がる
この作品もとてつもなく山奥にある集落の空家、雪が降ったらどうやって生活して居るんだろうって思うような所・・
日本の空家から想像も出来ない異質な空間だった。
こうやって作家と村の人達、その土地とが繋がってアートを展開している事って容易では無いことだろう。
何処との繋がりを無視しても良い物は生まれないだろうし、それが一つになったとき素晴らしい作品になりまた時間をおうごとにその土地に馴染んでいくんだろうな。
例に過去の作品を見たときに始め見たときの違和感から馴染みに変わっている物も多い
これは単に自分の目が慣れたからという訳ではないのだろう。
大地の芸術祭、改めて良いイベントだな。
今回も強行ながら見に行くことが出来て本当に良かった。