2008年6月21日土曜日

自転車遍路 其の四 5/29


27番札所〜32番札所  (高知県) 天候 晴れ 走行距離 95キロ
27.神峯寺 28.大日寺 29.国分寺 30.善楽寺 31.竹林寺 32.禅師峰寺

昨日の予報では今日は1日中雨、何だかやる気が出ない・・
初めて宿に泊まったのもあって朝はダラダラしてしまう。

8:30頃起きてカーテンを開けてみたら、雨が降っていない?? なんで?
下に降りておばあちゃんに聞いてみたら、昨日の夜にもの凄い雨が降ってたらしくどうやら雨雲は通り過ぎたらしい・・しまった・・これは大誤算だ!!
急いで支度をして、おばあちゃんにお礼を言って、子夏を5個くらいお裾分けして(かなり重いのが気になっていたので)9:00前に出発!

昨日宿を探して貰ったブティックおかださんにお礼を言いに行こうと思い寄ってみると、まるで待っていてくれたかのように「隣の喫茶店でモーニングでも食べて行きなさい」と、ご馳走になる事に。

たまたま昨日通りかかっただけなのにまた親切にして頂き、しかしこの後もうおかださんと会うことは無いだろうし、無償の愛というか、どう感謝して良いのか・・
自分には何が出来るだろうかって、お遍路を一生懸命やりきる事くらいしか考えつかないけど、自分一人で回れてるわけじゃないし、自分一人のために回ってるわけでもない。
自分や家族や大切な人、今までお世話になってきた沢山の人達の感謝の気持ちを忘れない。
この出会いとおかださんにありがとう。
今日も良い日になりそうだ。

雨上がりで快晴!紫外線がジリジリと肌を焼き付ける。
国道を15キロ程走り、山道に入る。
朝から厳しい坂道、ここは往復する形で1時間半はかかる、石川さんと出会わないかなと思いつつも結局会うことなく、27番神峯寺に到着!! 
寝過ごした上に喫茶店でモーニング、石川さん遙か先だろうな。
すでに全身汗だく・・

次の28番 大日寺までは40キロ、海岸に出て海沿いをずーと走っていく。
サイクリングロードになっていて、車もないので走りやすく景色を楽しみながら走っていると時間を忘れたように早く進んでいく。
途中の道の駅でドロメの天ぷら、シイラのフライ、五目ご飯で昼食。
さすがに聞いたことのないような魚が沢山あるので楽しい。
それに値段の割りに美味しい。

何故か四国に来てからコンビニや道の駅が見えると寄らないと行けないような気がする、いや本能的に寄りたいのだろう。
特に道の駅!
さっき食べたばかりでもつい何か買ってしまう。
おいしそうなものや、珍しいものに目がない・・
始めてくる土地の食べ物には非常に興味があり意外と物色しているだけでも楽しいものだ。













3:00過ぎに善楽寺到着。
おっ!石川さん発見!トマトを食べている。一つ頂く。
これが甘くて凄く美味しい。
そして隙を突いて、次の竹林寺には僕の方が先に出てきた、がっ・・山道を走っていると、前方に石川さんが?
近道か!やられたな〜。結局一緒になった。
思い返せば20分ほど前に追い抜かした時のあの、焦りのない表情。
「そっちは遠回りなんだよ若僧!」なんて事だったのか!?

この後フェリーに乗る、と言っても市が運営している、渡し船みたいな感じので5分ほどでつく。
6:00 渡った所からすぐにある雪渓寺で今日は終わり。
雪渓寺の近くを走ってると、前方から見たこと有る黄色い自転車!初日にあった天野さんだ。
まさか同じ所にいるとは、しかも何故か前方に?なんで?いつの間に?
フェリーを使わず回ってきたらしい。
僕は遙か先に進んでいると思っていたのに、結局みんなペースはそんな変わらないんだな。
今日は、雪渓寺の向かいにある高知屋さんに泊まるらしい。
フェリー
雪渓寺には通夜堂がある、通夜堂とはお寺がお遍路さん用に用意した、無料の宿泊スペース。
と言っても有る所と無い所もあるし、形は様々で、ガレージみたいな所やプレハブみたいなのや、中には布団付きでとても快適なところも有るそうだし、お墓の真ん中にあって、必ず出るよって言われてる所等々・・・
折角なので通夜堂体験もしときたいし、今日はここにしよう!!
僕が泊まらせて頂いた通夜堂は、プレハブ型の4畳位の所で倉庫のようになっている。
大きい窓が2つ有るがカーテンが無く本堂が丸見えでちょっと怖い・・

お寺の?大爺さんみたいな人がやってきて、ここは過去に2回位燃やされたから、たばこと酒はやるなよ!と忠告を受け、それから九州から来た奴がここに居座って毎晩酒を飲んでお遍路さんを恐喝してたとか、ここで死んだ人の話とか、何が言いたいんだこの爺!!

半分聞き流していたがよく見てみると天井は焦げたような跡もあるしちょっと気味が悪い。

近くのスーパーに夕食を買いに行き、巻き寿司・魚のフライ・朝食用の菓子パン・ビールを買う。
簡単に夕食をすませ、お寺の外でビールを飲んでいると、風呂上がりの天野さんだ。
それから天野さんが泊まる高知屋さんにて、久々の再会で一杯やろうって事でビールと鰹のたたきをご馳走になり、ちゃっかりお風呂貸して貰って、楽しい時間は一瞬で終わり、帰りたくない通夜堂に帰る・・・

ビールを飲んだせいでトイレが近い、トイレは本堂の横を通っていかないと行けなく、結局3回も行った、しかもトイレのドアを開けると必ず犬が吠える。
次は吠えるなよ・・
そーっとドアを開け・・静かにカチャッ・・よし!     
・・・・・ワンッ!ワンッ!!!  クソ!!
そんなやりとりを繰り広げ・・帰りたくない通夜堂に・・

疲れているのになかなか寝付けない、たまにパキッ!!とかガチャっとか音がする。
人の声のようなのも聞こえる・・ipodを聞いて見るがあまり効果はない。
寝たいのにアルバム単位で曲が終わっていく。
結局3:30まで全然寝られず外が明るくなってから少し落ち着いて寝る事ができたが、本当に長い夜だった。
通夜堂・・・

2 件のコメント:

おにへい さんのコメント...

お遍路記、其の四まで楽しく拝見しました。

日常生活では味わえない、人との交流が羨ましい!
だって、「モーニング食べてきなさい」って言葉をかけてもらっても、時間に拘束されている日常では、お言葉に甘える事もできないのが、現実のような気がします。

通夜堂の聞きたくもない怖い話を散々聞かせるおじいちゃんも、また愛嬌☆

・・・なんて、自分がその立場なら泣いてるかもな・・・笑

続き、楽しみにしてます!

drawing life さんのコメント...

その通りだと思います。

このお遍路の9日間は自分との戦いで、社会からの時間に拘束されず、曜日感覚すら無い状態でした。

ただ起きたら走る、とことん走る!!
そんな毎日で、なにかに取り憑かれたように夢中でした。
今となっては笑い話の通夜堂、このお爺さんの話す顔はマジでした。

引き続きアップしますので宜しくです。